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三田市で90年の歴史を持つ、レトロなまちの銭湯「しんち湯」【ササヤマメリーさんと行く】

しんち湯

今回は丹波篠山市を中心に活動されている猫の”ササヤマメリー”さんとコラボをしました。お邪魔したのは三田市に唯一残る銭湯で、創業は昭和初期という三田町の「しんち湯」さんに行ってきました!

  • 昭和レトロな「しんち湯」さんの中のようす
  • 2023年に90周年を迎える「しんち湯」さんの歴史
  • 三田市で唯一残る銭湯が長年愛されているワケ
  • 「しんち湯」さんの銭湯経営に対する想い

などなど、詳しくお話を聞いてきました。

この記事で少しでもしんち湯さんの魅力を知っていただけたらと思うので、是非最後まで見て行ってください!

目次

【お店の雰囲気】昭和レトロがすぎる!

ササヤマメリーさんとしんち湯
ササヤマメリーさんとしんち湯

しんち湯さんはなんといっても、レトロな雰囲気が魅力の銭湯です。

暖簾をくぐれば、そこは昭和の時代にタイムスリップしたかのような懐かしさを体験できます。

90年の歴史をもつ銭湯であり、設備や備品などは壊れたら自ら修理して使い続けているものもあるため創業当時のものが数多く残っているそうです。

いまでは三田市内に残っている唯一のまちの銭湯となっています。

そんな「しんち湯」さんは、昭和→平成→令和の時代を歩んでいきながら当時の面影を存分に残した地元の人たちにとって貴重な存在となっています。

ササヤマメリーさんも、その長い歴史と貫禄のある雰囲気に大興奮のようすでした。

外観のようす

場所は三田市三田町の武庫川沿いから一本細い道に入ったところにあります。

レトロさ全開なうえアットホームで入りやすい入り口が特徴的です。

また、夜のしんち湯さんの外観も独特の雰囲気があって好きです。

銭湯の中のようす

男湯、女湯に分かれた入り口から中に入るとそこにはタイムスリップしたような昔の銭湯の風景が広がります。

生活感あふれる脱衣場のようすは、お子さんからお年寄りまでいろんな世代の方々の交流ができる地域のコミュニティのような空間。

設備なども創業当時より大切に使われているものも多く、令和の時代では大変珍しいものもありましたので紹介してきます!

創業当時より使われている体重計

まず、目に付くのがこの体重計です。

「制温装置付自動台秤」と書かれており、重厚感あふれる独特のオーラを感じます。

こちらは創業当初からあるということで、重りの単位も昭和初期に使われていた単位の目盛りがありました。

目盛りのアップ
目盛りのアップ

赤で描かれているのが「kg(キログラム)」、その外に黒で描かれているのが「貫(かん)」という単位です。

貫とは…尺貫法による重さの単位で、江戸時代以前は通貨の単位として使われていたそうです。銭1000枚の重さが由来とされており、明治時代に一貫=3.75kgと定義されたそうです。
参考サイト:「貫-Wikipedia

参考として私ヤマハタの体重を撮影して貫で載せようかと思いましたが、最近太ってきて想像以上に体重が増えていたので恥ずかしくて思わず消してしまいました…。あと1.5貫ほどは減らしたい(切実)

10円方式のドライヤー

昭和末期の生まれの私としては、子供の頃によくみた「10円方式のドライヤー」にテンションが上がりました!

最近ではめっきり見なくなったこの10円方式のドライヤー。

販売・修理してくれるお店が無いらしく、しんち湯さんでは元電気屋さんのお父様が自ら修理をしているそうです。

10円を入れると赤いランプが点灯し3分間使用可能です。10円玉をお忘れなく!

お風呂場のようす

※特別に許可を得て営業時間外に撮影させていただきました。

お風呂場には大きなひょうたん型の湯舟が一つ。

流し場には、シャワーはなくゴルフボールが付いた蛇口があります。

シャンプーや石鹸などはないため持参するか番台で購入することをおすすめします。

ゴルフボールの取手の流し場

ゴルフボールの蛇口
ゴルフボールの蛇口

特徴的なゴルフボールが付いた蛇口は、”とても手に馴染む”と好評らしくレトロ感もあって使い心地も考えられた店主のアイデアです。

三田市の芸術家、東山先生の作品

東山嘉事先生の作品
鏡越しの東山嘉事先生の作品

三田市を拠点に活動されておられた芸術家、東山嘉事先生(ひがしやま かじ1934-2006)の作品が浴室に飾られています。

以前はなにもなく、殺風景だと思った店主のお父様が東山先生に依頼したそうです。

東山嘉事先生について詳しくはこちら:特集 東山嘉事

昭和レトロな番台のようす

銭湯と言えば「番台」ですよね!

番台に座り、その日のお客さんのようすを眺めることのできるこの場所は子供の頃に一度は憧れたものです。

特にしんち湯さんのようなアットホームでお客さんとの距離が近い銭湯では、営業中の番台から眺める景色というのは素敵なものなのだろうという想像がふくらみます。

ササヤマメリーさんも「番台に座るのが夢だった!」と大喜びでした!

【しんち湯の特徴】薪で沸かすお湯

しんち湯のお湯は産業廃棄物として出る薪で沸かしています

一般的な重油でもなく、ガスでもなく、”薪”なのです。

ヤマハタ
ヤマハタ

店主さん曰く、産業廃棄物として出る木くずを再利用することで企業さんも、しんち湯さんもWinWinなのだとか。

もちろん業者さん側は「従来、処分費がかかるはずの木くずを受け取ってもらえて」、銭湯さん側は「燃料費がかからない」という双方にメリットのある”薪で沸かすお湯”ですが、企業と銭湯側だけでないメリットもあります!

  • 日本で唯一の再生可能エネルギーとして環境面にもやさしい。※1
  • 薪で沸かすお湯は湯冷めしにくいと言われている。※2
  • 木は燃焼温度が低いため、温める過程で水質が柔らかくなると言われている。※2

※1)薪燃料は「燃焼時にCO2を排出する事から環境に良くない」との声もありますが実際は20年を越える年月をかけて成長した木は、燃焼時に排出されるCO2量よりその木が成長する過程で吸収するCO2量の方が多いと言われています。
参考サイト:地球環境へのやさしさ|軽井沢暖炉

※2)薪で沸かすお湯は”湯冷めしにくい・体の芯まで温まる・お湯がやわらかくなる”などと言われています。(諸説あり)化学的根拠があるのだとかないのだとか…詳細は調べてもわかりませんでしたが、実際にそう感じる銭湯好きさんが多く存在するという点で記載させていただいております。
参考サイト:「銭湯」 薪で沸かすお湯は違う というのは本当か?

薪で沸かすお湯についての真偽が気になる方は「しんち湯」さんで実際に体験してみてはいかがでしょうか?

薪窯の部屋はレトロ感がすごい
薪窯の部屋はレトロ感がすごい

お風呂以外のサービス

「しんち文庫」として脱衣場に本がおいてあります。

お風呂上りに読むことができて、貸し出しも行っているそうです。

ぬいぐるみやおもちゃ、雑貨など不要になったものをリサイクル市といして販売されています。

処分価格なのでかなりの格安で販売されています!

無料のウォーターサーバーとお風呂上がりのドリンクの販売もあります。

アルコールもありますので、火照った身体にキンキンに冷えたアルコールを流し込むのもたまらないですね!

【系列店】入浴とのセット特典あり

しんち湯さんの向かいにはカットハウスがあり、その建物を店主さんが所有されているそうです。

入浴のセット特典などがありますので、是非一緒に利用してみてください。

カットハウス TAKA

向かいのカットハウスは店主の足立さんが一人でされているそうです。

元々ご両親がこちらの店舗で電気屋をされていたそうで、そちらが閉店となりお父様と息子さん二人で内装をして2011年に理髪店としてオープンされたそうです。

メニューは2023/01/21の取材時点で下記の通りでした。

  • カットのみ 2200円
  • カット+しんち湯入浴セット 2400円
  • カット+顔そり+シャンプー 2700円
  • ヘッドマッサージ +1000円
  • フェイスマッサージ +1000円
  • エステセット 3200円

また、高齢者や障害のある方むけに「出張散髪」も始めたそうです。

福祉の資格も所持されている店主の足立さんが、事前相談のうえ電話一本で対応してくれるそうです!

漫画も読める
漫画も読める

また、カットハウスには「店主の足立さんが子供の頃に集めた」という懐かしい漫画がたくさんあり、待ち時間などに読むことができます!

入浴が半額になる賃貸マンション

カットハウスTAKAの上の階がアパートとなっており、こちらはしんち湯さんが所有する賃貸アパートです。

風呂無しの物件ですが、なんとしんち湯さんの入浴料が半額になる特典つきです。

毎日、格安でしんち湯さんに入れるというメリットのおかげか、取材時点では6件すべて埋まっており1件の退去待ちが入っているほど人気の物件だそうです。

また、アパートからはすぐそばに武庫川の景観を眺めることができ、三田祭りの花火大会が窓からみられるというのも魅力のひとつです。

”風呂なし”という一見デメリットともとれる条件を、銭湯の割引をつけることで補って余りあるメリットに変えてしまうのが凄いですね!

【しんち湯の歴史】創業90周年を迎えた

90周年記念タオル
90周年記念タオル

しんち湯さんは2024年でなんと創業90周年を迎えられます!

昭和初期から令和の時代まで長く三田市民に愛される銭湯の秘密と歴史を女将さんに聞かせていただきましたのでご紹介していきます!

地域と共に歩んできた「しんち湯」

「しんち湯」さんがある場所はその昔、色街(いろまち)として栄えていたそうです。

色街とは…遊女や芸者さんなどがおり、遊郭のある街のこと。

また、三田本町商店街ちかくのお地蔵さんから有馬街道へと続いており、有馬温泉で働く芸者さんが三田の新地で踊りを学ばれていたり三田から有馬温泉へと働きに出る芸者さんも多くいたそうです。

三田市に残る唯一の銭湯

阪神大震災のきずあと
阪神大震災のきずあと

現在は、三田市内に唯一残っている銭湯(スーパー銭湯を除く)です。

その昔、周辺には5~6件の銭湯があったそうですが、商店街(センター街)の衰退や火事・開発の影響によってしんち湯さん以外はすべて閉店されていったそうです。

いまでは”三田市の銭湯といえばしんち湯”といわれるほど地元の人に愛されています。

女将さんの想い

お風呂を通じて地域の人々、ひいては家族間のコミュニケーションの場になればと女将さんはおっしゃっていました。

ある日、父親と息子さんでしんち湯に来店されたお客さんがいました。
入浴前はどこかぎこちない雰囲気だったそうですが、お風呂からあがる頃には会話が盛り上がりそのまま脱衣所で1時間近く話し込んでいたそうです。

帰り際には「家にいると父と子の会話はあまりないが、気付けば心も開放的になっていた。裸の付き合いとはよく言うがお風呂には不思議な力がある。」とおっしゃていたそうです。

そういった家族観のコミュニケーションの手助けや、知らないお客さん同士の繋がりも生まれる”昭和人情のぬくもり”を大切にしていきたいと女将さんはおっしゃっていました。

実際、初めて来たお客さんの多くはしんち湯さんを気に入り「良いお湯でした。絶対、続けてやあ」と応援の声を多くもらうと嬉しそうに語っておられました。

この銭湯という文化を今後も残したい、若い人にももっと来てほし”とおっしゃていました。

イベントやネットでも人気

そんな女将さんの希望通り、最近はネットをはじめ新聞や銭湯界隈のイベントごとにも取り上げられています。

いろんなイベントやメディアから依頼があるようですので紹介していきます!

お遍路さん ならぬ「おフンロさん」

銭湯を巡ってスタンプを集める。お遍路ならぬ「おフンロさん」という銭湯のスタンプラリーイベントに三田市代表として参加されています。

神社を巡って御朱印を集めるお遍路の銭湯バージョンの面白い企画です。

2022/10/10(セントウの日)から2023/02/06(フロの日)までの期間で、

兵庫県下の銭湯、全83か所のお湯を舞台におフンロ巡りが開催されています。

阪神尼崎エリア・播州淡路エリア・神戸エリアの3つの地域に分かれて、エリアごとのすべての銭湯のスタンプを集めた人には”ありがたい授与品”が貰えるというイベントです。

しんち湯の特集
しんち湯の特集

また、三田祥雲館高校の学生たちによる三田市のスポット紹介をするパンフレット「WANDER SANDA」にも三田の癒しスポットとして特集されていました。

キッピーも訪問

三田市のマスコットキャラクターのキッピーとハッピーが遊びに来たこともあるそうです。

しんち湯の入り口の前で記念写真を撮影されていました。

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神戸新聞・読売新聞の記事にも

1年でもっとも昼が短くなるという冬至の日。冬至の日にゆず湯に入るという風習がありますね。

しんち湯さんでは毎年冬至の日にゆず湯をサービスしているそうで、段ボール1箱分のゆずを湯舟に浮かべておりその様子が新聞に取り上げられたそうです。

ゆず湯の由来…ゆずの強い香りのもとでは邪気がおこらないと言われており、またゆずはみのるまでに長い年月がかかることから”長年の苦労が実る”との願いも込められているそうです。

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「よーい、ドン!」から出演依頼

円広志や月亭八光が街ブラロケをする関西テレビのよーい、ドン!の「となりの人間国宝」のコーナー(2022年7月1日放送)で三田市に月亭八光が来たことはご存知の方もいると思います。

その時に、関西テレビより取材依頼が「しんち湯」さんに来ていたそうです。

しかし、あいにく取材当日は水曜日で休業だったためお断りしたそうです。

余談ですが、その時取材を受けたラーメン屋が六寶(むほう)さんです。
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【基本情報】アクセスと入浴料金

しんち湯

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